(Noun) Kombu, konbu, edible kelp
Define 昆布 昆布 Meaning 昆布
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JLect: Japonic Languages and Dialects Database
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A dictionary of the Ryukyuan language
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こんぶ 【昆布】
Phrases
- ~の細く切り刻んだもの chijamikuubu
こんぶまき 【昆布巻】
きざみこんぶ 【刻み昆布】
むすびこんぶ 【結び昆布】
Dictionary of the Practical Use of Okinawan
Results from the うちなーぐち活用辞典テキストデータベース Uchinaaguchi katsuyō jiten tekisuto dētabēsu (Dictionary of the Practical Use of Okinawan), by Shinsho Miyara, © CC BY-ND 3.0 DEED.
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くーぶ
- 昆布
- うさんみうじゅーんかい いりーる むしびくーぼー かりーなむん やてぃ、うやふぁーふじとぅぬ むしび、いちみとぅぬ むしび、かりーぐとぅぬ むしびんでぃる わきぬ あん。
(重箱に入れる結び昆布は縁起のいいもので、祖先との結び、親戚との結び、縁結びという意味がある)
Example phrases
むすび くーぶ
- 結び昆布
- むすびくーぼー にーびち、さきむい、しちぐゎち、そーぐゎち、とぅしびーぬ うゆうぇーぬ すーじぐとぅんかえー かかさらん。
(結び昆布は結婚式、結納、盆、正月、生年のお祝いの祝事には欠かせない)
Example phrases
Audio Database of Hatoma Lexicon
Results from the 鳩間方言 音声語彙データベース Hatoma hōgen onsei goi dētabēsu (The Audio Database of Hatoma Lexicon), by Shinichi Kajiku and Natsuko Nakagawa, © CC BY-SA 3.0 DEED
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キザミクブ [ki⸢ʣamikubu] (名)
- 刻んだ昆布。刻み昆布。
- キ⸢ザミクブトゥ⸣ カ⸢マブクヌ⸣ イ⸢ラキ⸣ムノー イッ⸢ケン⸣ ン⸢マー⸣ン
[ki⸢ʣamikubutu⸣ ka⸢mabukunu⸣ ʔi⸢raki⸣munoː ʔik⸢kem⸣ ʔm⸢maː⸣ŋ]
(刻み昆布と蒲鉾の炒め物は非常に美味しい)
Example phrases
クブ [⸣kubu] (名)
- (植)海草の昆布。干し昆布。本土から輸入された。クブは昔から祝儀、不祝儀の料理に欠く事の出来ない食材である。ク⸢ブ⸣マキ[ku⸢bu⸣maki](魚の昆布巻き)やム⸢スビクブ[mu⸢subikubu](大きな結び昆布)の料理にしたり、炒め物に入れたりして食した。また、正月には⸢ザー⸣トゥク[⸢ʣaː⸣tuku](床の神)に供える、こうだて(甲立て)したジ⸢ブ⸣ク[ʤi⸢bu⸣ku](重箱)のパ⸢ナン⸣グミ[pa⸢naŋ⸣gumi](花米)の上に立てて、その家に慶事が招来されることを祈願する。
- ⸣ヨイナーン ⸢ソッ⸣コーナーン ⸣クブシ ⸣ウサイ ス⸢ク⸣ローッタ⸢ダー
[⸣joinaːn ⸢sok⸣koːnaːŋ ⸣kubuʃi ⸣ʔusai su̥⸢ku⸣roːtta⸢daː]
(お祝いにも法事<焼香>にも昆布でご馳走<料理>を作られたのだよ)
Example phrases
パークブ [⸢paːkubu] (名)
- 葉昆布。普通の昆布。ウ⸢ラシ⸣クブ[ʔu⸢raʃi⸣kubu](卸し昆布{EOS}刻み昆布)の対義語。
- ⸢パークブ⸣シ イ⸢ズン⸣ タクン マ⸢キティ ネーシバ⸣ イッ⸢ケン⸣ ン⸢マー⸣ン
[⸢paːkubu⸣ʃi ʔi⸢ʣun⸣ tḁkum ma⸢kiti neːʃiba⸣ ʔik⸢kem⸣ ʔm⸢maː⸣ŋ]
(葉昆布で魚も蛸も巻いて煮るから非常に美味しい)
Example phrases
ムスビクブ [mu⸢subikubu] (名)
- 結び昆布。昆布を小さく結んだもの。多くは、イ⸢ツァムス⸣ビ[ʔi⸢ʦamusu⸣bi](板結び{EOS}水に浸けて洗い、ふやかした昆布を幅約3センチ、長さ約10センチに切り、中央部を昆布で引き締めて煮たもの{EOS}不祝儀の煮しめもの料理に多く出される)と⸢マームスビ[⸢maːmusubi](真結び{EOS}祝儀の煮しめもの料理に多く出される)として調理される。
- ウ⸢サイ⸣ヤー ⸢オー⸣ヌ サ⸢ンマイニク⸣トゥ ム⸢スビクブヌ⸣ シ⸢ミムヌ⸣ル イッ⸢チン⸣ ン⸢マー⸣タ
[ʔu⸢sai⸣jaː ⸢ʔoː⸣nu ⸢sammainiku⸣tu mu⸢subikubunu⸣ ʃi⸢mimunu⸣ru ʔit⸢ʧim⸣ ʔm⸢maː⸣ta]
(ご馳走は、豚の三枚肉と結び昆布の煮しめものが一番美味しかった)
Example phrases
イチバンシームヌ [ʔi⸢ʧibaŋʃiː⸣munu] (名)
- 最初に出される吸い物料理。「一番吸い物」の義。大きな神事、大きな祝儀などに出された吸い物料理。昆布、かまぼこ、魚や肉の角切りの具、もやし等を入れた吸い物。
- ⸢ヨイシー⸣ヤーナーテー イ⸢チバンシー⸣ムヌ タ⸢ボーラ⸣リカー ナ⸢ガシビ サンドー⸣シ ⸢カイ⸣リ ⸣クー
[⸢joiʃiː⸣jaːnaːteː ʔi⸢ʧibaŋʃiː⸣munu ta⸢boːra⸣rikaː na⸢gaʃibi sandoː⸣ʃi ⸢kai⸣ri kuː]
(お祝いの家では一番吸い物を頂いたら長居しないで<長尻しないで>帰って来なさい)
Example phrases
ウーザラ [⸢ʔuː⸣ʣara] (名)
- 大皿。直径約20センチほどの皿。⸢チュー⸣ザラ[⸢ʧuː⸣ʣara](中皿)、⸢クー⸣ザラ[⸢kuː⸣ʣara](小皿)の対義語。祝儀や法事の際に、大皿には餅や煮魚類、紅白のかまぼこ、紅白の茹蛸。魚芯てんぷら、芋芯てんぷら、揚げ豆腐、昆布巻、大根や里芋の煮付け類を盛り付けた。祝儀の際は赤餅、法事の際は白餅を盛り付けた。
- ⸢ヨイ⸣ヌ ⸣ピンマー ⸢ウー⸣ザラナー ⸣ウサイ ム⸢リティ⸣ ン⸢ザ⸣ソーッタ
[⸢joi⸣nu ⸣pimmaː ⸢ʔuː⸣ʣaranaː ⸣ʔusai mu⸢riti⸣ ʔn⸢ʣa⸣soːtta]
(お祝いの時は大皿にご馳走を<お菜>を盛って出された)
Example phrases
オーヌバタヌシームヌ [⸢ʔoː⸣nubatanu ⸢ʃiːmunu] (連)
- 豚臓物の吸い物。豚の内臓を大根、昆布、こんにゃく等と共に味噌で煮込んた吸い物。
- ⸢オー⸣ヌバタヌ ⸢シームノー⸣ イッ⸢ケナ⸣ ン⸢マー⸣タン
[⸢ʔoːnu⸣batanu ⸢ʃiːmunoː⸣ ʔik⸢kem⸣ ʔm⸢maː⸣taŋ]
(豚の臓物の吸い物は非常に美味しかった)
Example phrases
カサビヌパナ [kḁ⸢sabinu⸣pana] (名)
- ⸢重ねの花米」の義。重ね花米。正月や⸢トー⸣カキ[⸢toː⸣kaki](米寿の祝い{EOS}「斗掻き」)の際に、八寸重箱の五段目に、紅白の紙を重ねて鋸歯状に切ったものを重箱の内側に立てて飾り、そこに盛り米をしたもの。盛り米の上に⸣クブ[⸣kubu](昆布)と炭を載せる。幸福が山盛りに、溢れるほどありますようにとの願いをこめて米を盛るのだという。紅白の飾り紙も、昔は黄色、赤色、白色の順になっていたという
カシキフルマイ [⸢kaʃi̥kiɸuru⸣mai] (名)
- 慶事、法事に出すこわめし。「強飯饗応」の義。⸢ソーニヨイ[⸢soːnijoi](還暦、喜寿、米寿などの生年祝い)や二十五年忌、ウ⸢サンギソッコー[ʔu⸢saŋgisokkoː](三十三年忌)などの大きな行事に出す料理。⸢カシ⸣キ[⸢kaʃi̥⸣ki](こわめし)、豚肉または蒲鉾と野菜の汁、大根や昆布の煮つけ、魚の煮物、蛸や魚のテンンプラの⸢ユーチング[⸢juːʧiŋgu](四ツ組)の膳部。
- ⸢カシキフルマイ⸣ヤー ⸣ソンガチトゥ ⸢ソーニヨイ⸣ ウ⸢ブソッ⸣コーン ⸣ドーレナール ン⸢ザ⸣ソーッタ
[⸢kaʃi̥kiɸurumai⸣jaː ⸣soŋgaʧitu ⸢soːnijoi⸣ ʔu⸢busok⸣koːn ⸣doːrenaːru ʔn⸢ʣa⸣soːtta]
(カシキフルマイ<強飯饗応>は正月と生年祝い、大法事<大焼香>等の時に<が>出された)
Example phrases
クブイラキ [ku⸢bu⸢ʔira⸣ki] (名)
- 昆布の炒め物。昆布を細かく下ろし、蒲鉾や魚、コブシメ、野菜などと一緒に炒めた料理。祝儀料理にも不祝儀料理にも調理された一般的な料理。「昆布煎り」の転訛したもの。イ⸢ラキ⸣ムヌ[ʔi⸢raki⸣munu](炒め物<煎り物>)ともいう。
- ク⸢ブイラ⸣キン ナ⸢マ⸣シン ス⸢コーリ⸣ ン⸢ザ⸣シバ
[ku⸢buʔira⸣kin na⸢ma⸣ʃin su̥⸢koːri⸣ ʔn⸢ʣa⸣ʃiba]
(昆布の炒めものも刺身も作って<用意して>出しなさいよ)
Example phrases
クブマキ [ku⸢buma⸣ki] (名)
- 昆布巻き。魚肉や烏賊、蛸を芯にして昆布で巻き、味付けをして煮付けたもの。
- ⸣アボー ス⸢ク⸣ロール ク⸢ブ⸣マケー イ⸢カムス⸣ク ン⸢マー⸣タワ⸢ツォー
[⸣ʔaboː su̥⸢ku⸣roːru ku⸢bu⸣makeː ʔi⸢kamusu̥⸣ku ʔm⸢maː⸣tawa⸢ʦoː]
(お母さんが作られる昆布巻きはどんなに美味しかったことか)
Example phrases
サングヮンヌシームヌ [⸣saŋgwannu ⸢ʃiːmunu] (連)
- 供物の吸い物。⸢三願の吸い物」の義か。大きな祭祀等で神前や仏前に祈願する際に供える吸い物。イ⸢チバンシー⸣ムヌ[ʔi⸢ʧibaŋʃiː⸣munu](一番吸い物)、⸢ニーバンシー⸣ムヌ[⸢niːbaŋʃiː⸣munu](二番吸い物)、⸢サンバンシー⸣ムヌ[⸢sambaŋʃiː⸣munu](三番吸い物)が供えられる。魚肉の塩煮したものを、3、5、7切れの奇数個と餅、モヤシ、昆布、野菜二切れは一番吸い物、三番吸い物に必要な食品で、二番吸い物には豆腐三切れを入れた椀一対だけである。
- ⸣サングヮンヌ ⸢シームノー⸣ ウ⸢ブニン⸣ガイナール ス⸢ク⸣ローッタ
[⸣saŋgwannu ⸢ʃiːmunoː⸣ ʔu⸢buniŋ⸣gainaːru su̥⸢ku⸣roːtta]
(三願の吸い物は大きな祈願の際に作られた)
Example phrases
シミムヌ [ʃi⸢mi⸣munu] (名)
- 煮しめ(煮染め)。大根、豆腐、南瓜、冬瓜、昆布、蒲鉾、肉類(豚肉や魚肉、烏賊、蛸)を醤油で煮染めた料理。おでん(御田)に似るが、水分を少なめにし、蒸すように煮しめたもの。シ⸢ミ⸣ムー[ʃi⸢mi⸣muː]ともいう。
- ク⸢ヌ⸣ シ⸢ミ⸣ムノー ⸣ダシ シ⸢キティ⸣ イッ⸢ケナ⸣ ン⸢マー⸣ン
[ku⸢nu⸣ ʃi⸢mi⸣munoː ⸣daʃi ʃi̥⸢kiti⸣ ʔik⸢kena⸣ ʔm⸢maː⸣ŋ]
(この煮染め料理は出汁が効いて非常に美味しい)
Example phrases
ソーラン [⸢soː⸣raŋ] (名)
- 盆祭り。「精霊会」の義。旧暦7月13日は、ン⸢カイビー[ʔŋ⸢kaibiː](迎え日{EOS}精霊迎え)、同14日は、ナ⸢カヌ⸣ピー[na⸢kanu⸣ piː](中日)、同15日は、ウ⸢クリヌ ピン[ʔu⸢kurinu piŋ](送りの日{EOS}精霊送り)として先祖の霊を供養する祭祀行事。鳩間島では、旧暦7月を⸢ソー⸣ランシキ[⸢soː⸣raŋʃi̥ki](精霊月)といって、その月には神事に関する諸々の行事はタブーとされている。旧暦7月7日を、タ⸢ナバタ[ta⸢nabata](七夕)と称し、その日には墓地を清掃したり、日頃から延び延びにしていた法事等を、⸢ピュール[⸢pjuːru](ひより{EOS}吉日{EOS}「日選り」の義か)に関係なく執り行うことが出来ることになっている。毎年回ってくるソーランには、人々は「あの世」から先祖や死者の霊を各家に迎えて、孝養の限りを尽くすために供物を供え、獅子舞、アンガマ踊りを奉納して⸢ニンブ⸣ツァー[⸢nimbu⸣ʦaː](念仏歌)をうたうのである。祖霊は、目には定かに見え給わぬが、あたかも眼前に祖霊がましますが如くに語りかけたりして、心をこめて念仏歌を歌い上げるのである。旧暦7月13日のン⸢カイビー[ʔŋ⸢kaibiː](精霊迎え)には、朝から仏壇を清掃したり、供え物を飾りつけたりする準備をする。⸢イーパイ[⸢ʔiːpai](位牌)を洗って拭いたり、⸢コー⸣ロー[⸢koː⸣roː](香炉)の灰を取り替えたりする。供え物は普通、⸢ソッコー⸣ムヌ[⸢sokkoː⸣munu](「焼香物」の義か{EOS}イ⸢ツァ⸣カウ{SqBr}ʔi⸢ʦa⸣kau{/SqBr}<板線香>3枚と、ウ⸢ティン⸣ガビ{SqBr}ʔu⸢tiŋ⸣gabi{/SqBr}<打ち紙{EOS}紙銭>3枚、イ⸢チンゴー⸣パナ{SqBr}ʔ⸢iʧiŋgoː⸣pana{/SqBr}<花米一合を重箱にいれたもの>)、ム⸢ルムル[mu⸢rumuru](「盛る物」の義か{EOS}甘蔗<砂糖黍>を7寸ほどの長さに切ったものを10本ほど束ね、⸣サンボー{SqBr}⸣samboː{/SqBr}<三方>の台に載せ、果物やキ⸢ダ{SqBr}ki⸢da{/SqBr}(黒檀{EOS}黒木)の実やフ⸢ナ⸣ブ[ɸu⸢na⸣bu]<九年母、ヒラミレモン>、⸢バン⸣スル[⸢ban⸣suru]<ばんじろう。蕃石榴>、⸣カニン[⸣kaniŋ](野葡萄の実)を挿して飾った供物の一対)などである。それに⸣グシ[⸣guʃi](御酒)を⸢カン⸣ビン[⸢kam⸣biŋ](燗壜)に入れたもの一対を仏壇に供え、ン⸢カイズーシ[ʔŋ⸢kaiʣuːʃi](精霊迎えの雑炊{EOS}五目飯)を供えると祖霊を迎える準備は完了する。毎食を供える際に、ミ⸢ジヌ⸣クー[mi⸢ʣinu⸣kuː](「水の子」の義か{EOS}砂糖きびの茎、茄子を細かく刻んだ物に米、小豆を加えたもの)を、⸣マヤーブー[⸣majaːbuː]<メドハギ。精霊箸。⸢猫の尾」の義>で戸外へ三度撥ね飛ばして施餓鬼する。ミジヌクーも仏壇に供える。祖霊を迎えるには、バ⸢ラフ⸣タ[ba⸢raɸu̥⸣ta](稲藁)の穂の部分を丸めて縛り、その中にウ⸢キル[ʔu⸢kiru]( uby{熾火}{オキ|ビ})を入れてフ⸢チマラ⸣シ[ɸu̥⸢ʧimara⸣ʃi]( uby{燻}{クスベ}らせ)て、⸢ペーラ⸣フチ[⸢peːra⸣ɸu̥ʧi](門{EOS}入り口)の右脇に添えて置く。これは、人がその火を跨ぐことがないようにとの意味があるという。祖霊達は藁の煙をたどって家々に降りてくるといわれている。それで藁の煙がたくさん出るように心を配ったものである。祖霊を迎え入れると、戸主を中心に家族一同が仏壇の前に座り、跪いて合掌し、三日間孝養を尽くさせてくださいと祈ってから会食した。その日の夕食は出来るだけ早めにとった。お盆の日、特に初日の精霊迎えの日は、空腹を感じると、その人の魂が肉体から抜けやすいと信じられているからである。夕食が済むと男たちは、⸢ニンブ⸣ツァー[⸢nimbu⸣ʦaː](念仏歌)を歌ったり、先祖の話をしたり、親戚を回って焼香したりして祖霊を慰めた。夜の11時頃になると、ユ⸢ナカシー⸣ムヌ[ju⸢nakaʃiː⸣munu](夜中の吸い物)を供えた。食事を供える際は、必ず⸢ブー⸣ソー[⸢buː⸣soː](小皿に盛ったご飯{EOS}ぶっしょう「仏食向」の義か)を膳の外においた。⸢ブー⸣ソーは女性しか食べることは出来ないといわれている。お盆の三日間は、仏壇の線香が消えると、⸣ピーリボール[⸣piːriboːru](冷え冷え)としているといって、それを嫌った。線香の火を絶やさないために、⸢ピーマチカウ[⸢piːmaʧikau](「火持ち線香」の義か{EOS}直径約5ミリ、長さ約25センチの大きな線香)を焚いて一日中仏壇から線香の煙を絶やさなかった。ナ⸢カヌ⸣ピン[na⸢kanu⸣piŋ](中日)は、朝食にア⸢サカイ[ʔa⸢sakai](朝粥)を供える。午前10時頃、⸢サーサー⸣フキ[⸢saːsaː⸣ɸu̥ki](茶請け)を供え、正午には⸣アシ[⸣ʔaʃi](「朝飯」の義か)、午後3時頃に⸢サーサー⸣フキ[⸢saːsaː⸣ɸu̥ki]、午後6時頃に⸢ユー⸣ボン[⸢juː⸣boŋ](夕飯)、午後11時頃にユ⸢ナカシー⸣ムヌを供えた。こうして祖先供養をすることを、⸢ソー⸣ランマカナイ[⸢soː⸣rammakanai](精霊賄)と称している。ウ⸢ヤ⸣プスシゥカナイ[ʔu⸢ja⸣pu̥susi̥kanai](先祖養い)ともいう。中日の晩には、翌日のウ⸢クリ[ʔu⸢kuri](精霊送り)の法事に必要な供物の餅やア⸢ラシコーシ[ʔa⸢raʃikoːʃi](「蒸し菓子」の義)を作るために、女性たちは⸢クー⸣ピキ[⸢kuː⸣pi̥ki](「粉挽き」の義{EOS}約半日水に浸けた糯米を石臼で挽くこと)をして準備した。男たちは夕方になると⸢シー⸣シマーシ[⸢ʃiː⸣ʃimaːʃi](獅子舞)の準備をした。西村の獅子は⸢雌獅子」で⸢ダイ⸣ケー[⸢dai⸣keː](大工家)が獅子元、東村はク⸢メー[ku⸢meː](小浜家)が獅子元である。⸢シーシ⸣ヌ ⸣キン[⸢ʃiːʃi⸣nu ⸣kiŋ](獅子の着物{EOS}フ⸢ク⸣ダー{SqBr}ɸu̥⸢ku⸣daː{/SqBr}<襤褸>)は、西村と東村の子供たちが、お盆の月に入ると同時にバ⸢サ⸣ヌカー[ba⸢sa⸣nukaː](芭蕉の皮)を剥いで槌で打ち、乾燥させておいた繊維を使って編み上げた。お盆の中日には、獅子元の人や村のヤ⸢ク⸣サ[ja⸢ku⸣sa](村役人)たちが獅子頭の化粧直しをして獅子元の一番座の東の縁側に飾っておく。午後8時ごろ村人が獅子元に集まってきて⸢シーシマツ⸣リ[⸢ʃiːʃimaʦu⸣ri](獅子祭り)をした後、獅子舞に移る。⸢ニンブ⸣ツァー(念仏歌)のシ⸢ザ⸣ヌクイ[ʃiʣa⸣nukui](兄の声<歌>)と⸢ウシトゥ⸣ヌクイ[⸢ʔuʃi̥tu⸣nukui](弟の声<歌>)、ン⸢ゾーニンブツァー[ʔn⸢ʣoːnimbuʦaː](無蔵念仏歌)が歌い終わる頃、どこからともなく⸢アン⸣ガマ[⸢ʔaŋ⸣gama](アンガマ踊りの仮装した一団)たちが、⸢シー⸣シ ⸢パー⸣ソーリ[⸢ʃiː⸣ʃi ⸢paː⸣soːri](獅子を囃したててください)と裏声をつかって催促する。すると、⸣ジーシンカ[⸣ʤiːʃiŋka](地謡衆)が中庭に敷いた筵に座って、ム⸢ヌン⸣グイウタ[mu⸢nuŋ⸣guiʔuta](物乞い歌)をうたう。歌の文句(歌詞)に合わせて家の中から、ム⸢ソー⸣マ[mu⸢soː⸣ma](小筵)を出し、ウ⸢マ⸣ツ[ʔu⸢ma⸣ʦu](火{EOS}煙草盆)を出し、キ⸢シ⸣ル[ki⸢ʃi⸣ru](煙管)、タ⸢バ⸣ク[ta⸢ba⸣ku](煙草)、ウ⸢ミ⸣キ[ʔu⸢mi⸣ki](神酒)、⸣ウサイ[⸣ʔusai](酒の肴)、⸣スナイ[⸣sunai](酢の物、和え物)を出して最後にブ⸢ドル[bu⸢duru](踊り)の出番となる。アンガマ踊りはこうして始まるのである。アンガマ達は男装、女装で変装し、手拭で顔を隠し、クバ笠を深く被って翁とおうな(媼)に続いて現れ、仏壇正面の中庭からナ⸢カグス⸣ク[na⸢kagusu⸣ku](ヒンプン)の側まで片膝を立てて腰を下ろし、片手に木の枝やクバ扇を持って両手を体の右側に流して待機している。地謡がニンブツァーを歌いだすと立ち上がり、それに合わせて片足を交互に上げ、両手を上げた足の反対側へ振り下ろす動作を繰り返しつつ、ヒヤリクヨイサー サー サーと囃し立ててながら左回りに踊る。これが済むと獅子舞いに移り、モーヤーを踊って次の家へと移動する。移動する際は一段と高く、イ⸢リクヌ⸣ティー[ʔi⸢rikunu⸣tiː](「入れ子の笛」)の笛の音曲を吹き鳴らしてミ⸢チウタ[mi⸢ʧiʔuta](道歌)をうたう。イ⸢リクヌティーが次の家に移る合図の笛の音である。こうして夜更けまで各家を回り、祖霊を慰めたものである。7月15日は、ウ⸢クリヌピン[ʔu⸢kurinupiŋ](祖霊送りの日)である。供え物は、中日のそれとほぼ同じであるが、正午の⸣アシ[⸣ʔaʃi](昼食)は、ピ⸢サシズー⸣シ[pi⸢saʃiʣuː⸣ʃi](五目飯{EOS}豚肉、魚肉、カマボコ、人参、昆布などを賽の目に切り醤油で味付けして炊いた強飯{EOS}⸢コーズー⸣シ{SqBr}⸢koːʣuː⸣ʃi{/SqBr}<強雑炊>ともいう)を供え夕食には、⸢カシ⸣キ[⸢kaʃi̥⸣ki](糯米のご飯に小豆を混ぜ、蒸して炊いた強飯)を供える。夜の11時頃には、ユ⸢ナカソッ⸣コー[ju⸢nakasok⸣koː](夜中焼香)をし、カ⸢ビヤキ[ka⸢bijaki](紙銭を焼くこと)もして祖霊送りをするのである。ユ⸢ナカソッ⸣コーには分家すじからの⸢ソッコー⸣ムヌ(焼香の供物)も供える。家族全員が正座し、戸主は正装して焼香するが、その際、コーロ(香炉)も定位置より下ろし、⸢サー⸣ドーサバン[⸢saː⸣doːsabaŋ](茶湯茶碗)も下ろして紙銭を焼く。焼き終えたら、グシ(御酒)と茶湯を掛けて火を消し、米を三つかみ入れて⸣パイ[⸣pai](拝{EOS}三拝)をする。そして供えた供物を箸で起こし<パ⸢チウク⸣シ[pḁ⸢ʧiʔuku⸣ʃi](初起こし)>をし、拝礼をして終える。これが終わると仏壇のムルムルから供物の総てを下げ降ろし、ムルムルの一部を籠に入れ、菓子や餅の一部も千切って入れ、線香を三本抜き取って戸外に出、西の道路の側に⸣グソー[⸣gusoː](後生)への⸣シトゥ[⸣ʃi̥tu](お土産{EOS}つと)を置いて、無事にあの世へ帰られるよう祈願して祖霊たちを送るのである。こうしてお盆祭りの全過程は終了するが、子供達は籠を持って家々を回り、⸢シン⸣ザ ⸢コー⸣ソーリ[⸢ʃin⸣ʣa ⸢koː⸣soːri](砂糖黍を恵んでください)と裏声を使って砂糖黍を集めた。⸢シン⸣ザ ⸢クイ⸣プス[⸢ʃin⸣ʣa ⸢kui⸣pu̥su](砂糖黍を乞う人)が来ると、家の中から砂糖黍を投げて与えた。これは餓鬼に対する施しであるといわれていた
タークブ [⸢taː⸣kubu] (名)
- (植)ミズオオバコ。田の水中に生える。「田昆布」の義『石垣方言辞典』。鳩間島ではこれを食する習慣はなかった。
- ⸢ター⸣クボー ⸢トー⸣サ トゥ⸢リン⸣テンナー カ⸢キシティ⸣ル ⸢ソーッ⸣タ ッ⸢ふァイヤー ソーラン⸣シェン
[⸢taː⸣kuboː ⸢toː⸣sa tu⸢rin⸣tennaː kḁ⸢kiʃi̥ti⸣ru ⸢soːt⸣ta f⸢faijaː soːraŋ⸣ʃeŋ]
(ミズオオバコは田草を取りながら、掻き取って捨てなさったものだ{EOS}食べはなさらなかった)
Example phrases
トゥシトゥリフルマイ [tu̥⸢ʃituriɸuru⸣mai] (名)
- 年越しのご馳走。「年取り振舞」の義。大晦日の夜に食べる年越しのご馳走。ご馳走のメニューは、⸢ユーチング[⸢juːʧiŋgu](四つ組)で、ア⸢ガイー[ʔa⸢gaʔiː](赤飯)1椀、⸢シームヌ[⸢ʃiːmunu](魚肉の吸い物)1椀、シ⸢ミ⸣ムヌ[ʃi⸢mi⸣munu](蒲鉾や魚肉、豚肉、昆布の煮しめもの)、⸢ティン⸣プラ[⸢tim⸣pura](魚芯テンプラ)など1皿、イ⸢ズナマシ[ʔi⸢ʣunamaʃi](イラブチやシヌマールなどの刺身)1皿の四つ組が定番の料理であった。
- ム⸢カシ⸣ヌ トゥ⸢シトゥリフルマイ⸣ヤー ア⸢ガイーヌ コーイー⸣トゥ イ⸢ズヌ⸣スー シ⸢ミ⸣ムヌ ⸢ウン⸣ナー ナ⸢マシ⸣ヌ シ⸢キ⸣ル ⸢ユーチング ヤッタ
[mu⸢kaʃi⸣nu tu̥⸢ʃituriɸurumai⸣jaː ʔa⸢gaʔiːnu koːʔiː⸣tu ʔi⸢ʣunu⸣suː ʃi⸢mi⸣munu ⸢ʔun⸣naː na⸢maʃi⸣nu ʃi̥⸢ki⸣ru ⸢juːʧigu jatta]
(昔の年越しのご馳走<振舞>は赤飯のこわいい<強飯>、魚のお汁、煮しめもの、それに刺身が付く四つ組料理であったよ)
Example phrases
ピサシズーシ [pi̥⸢saʃiʣuː⸣ʃi] (名)
- 五目飯。混ぜご飯。加薬飯。炊き込みご飯。「干<ひ>させ雑炊」の義。豚肉、蒲鉾、人参、にら、昆布などの炊き込みをした混ぜご飯。⸢コーズー⸣シ[⸢koːʣuː⸣ʃi](硬い雑炊)ともいう。お盆の精霊迎えの供物は、ン⸢カイズーシ[ʔŋ⸢kaiʣuːʃiː](迎えの雑炊)という。⸢コーズー⸣シー[⸢koːʣuː⸣ʃiː](強雑炊)ともいう。
- ⸢ピンガン⸣トゥ ⸢ソーラン⸣ヌ ン⸢カイヌ⸣ ピンマー ヤー⸢ディン⸣ ピ⸢サシズー⸣シ ス⸢コー⸣ルン
[⸢piŋgan⸣tu ⸢soːran⸣nu ʔŋ⸢kainu⸣ pimmaː jaː⸢dim⸣ pi̥⸢saʃiʣuː⸣ʃi su̥⸢koː⸣ruŋ]
(彼岸とお盆の精霊迎えの時には必ず五目飯を供えられる)
Example phrases
マヤーブー [⸣majaːbuː] (名)
- (植)メドハギ(蓍萩)。メドギ(蓍木)。「猫の尾」の義。野原に自生しており、日常は雑草として利用されることのない植物であるが、⸢ソー⸣ラン[⸢soː⸣raŋ](お盆)には仏前へ食事を供える際の箸に作ったり、朝、昼、晩の食事を供えて線香を立てる直前に、ミ⸢ジヌ⸣クー[mi⸢ʤinu⸣kuː](<水の粉>の義か{EOS}無縁仏へのお布施として用意される供物で、砂糖黍の茎や茄子を小さく賽の目に刻んだものに米、小豆、昆布を刻んだもの等を加え、7回水洗いしたもの)を戸外へ弾き飛ばすのに用いるもの。長さ約30センチの箒状に結わえたもの。
- ⸣マヤーブーシ ミ⸢ジヌ⸣クー ⸢パン⸣キバ
[⸣majaːbuːʃi mi⸢ʤinu⸣kuː ⸢paŋ⸣kiba]
(マヤーブー<メドハギ>でミジヌクー<水の粉>を家の外へ弾き飛ばしなさいよ)
Example phrases
ミジヌクー [mi⸢ʤinu⸣kuː] (名)
- 水のこ。「水の粉」の転訛したものか。お盆の供物の一つ。砂糖黍の茎、茄子を賽の目に小さく刻んで、米と小豆、昆布の刻んだものを加えて、7回水洗いをしたもの。皿に入れ、⸣マヤーブー[⸣majaːbuː](和名、メドハギ<蓍萩>)の枝を添えて仏壇に供える。一日三食を仏壇に供える際に、マヤーブーでミジヌクーを家の外へ三度掻きはねる。無縁仏達へのお布施といわれている。それをしないと、先祖に供えた供物に無縁仏が手を突っ込んだり、悪事を働くと信じられている。
- トゥ⸢クニ⸣ナー ⸢ミーキヌ⸣ イー ス⸢ク⸣ ピン ミ⸢ジヌ⸣クー ⸢パン⸣キティ ア⸢ゾーッ⸣タ
[tu̥⸢kuni⸣naː ⸢miːkinu⸣ ʔiː su̥⸢ku⸣ pim mi⸢ʤinu⸣kuː ⸢paŋ⸣kiti ʔa⸢ʣoːt⸣ta]
(仏壇に三食のご飯を供えるとき、ミジヌクーを外へ uby{掻}{カキ}き uby{撥}{ハ}ねよ、といわれた)
Example phrases
Prosodic materials of the Southern Ryukyuan Yaeyama Miyara dialect
Results from the [関連データ]南琉球八重山語宮良方言の名詞アクセント資料 [Kanren dēta] Minami Ryūkyū Yaeyama-go Miyara hōgen No meishi akusento shiryō ([Relevant Data] Prosodic materials of the Southern Ryukyuan Yaeyama Miyara dialect), by Kenan Celik, Aso Reiko and Kohei Nakazawa, © CC BY-NC 3.0 DEED
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クブ [kubu] L (名)
- 昆布
Japanese-Multilingual Dictionary (JMDict)
Results from the Japanese-Multilingual Electronic Dictionary project (JMdict), created by Jim Breen, © Electronic Dictionary Research and Development Group.
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こんぶ・コンブ・こぶ【昆布・恨布】
(Common Noun)
- Kombu (usu. Saccharina japonica); Konbu; Kelp; Any edible species from the family Laminariaceae
こぶちゃ・こんぶちゃ【昆布茶】
(Noun)
- Kelp tea
こぶまき・こんぶまき【昆布巻き・昆布巻】
(Noun)
- Type of food (sliced dried herring or other fish wrapped in konbu seaweed and boiled)
まこんぶ・マコンブ【真昆布】
(Noun)
- Japanese kelp (Laminaria japonica)
— Word usually written using kana alone
すこんぶ【酢昆布】
(Noun)
- Sour konbu prepared with black vinegar
こんぶだし【昆布出し】
(Noun)
- Soup stock made from konbu
ながこんぶ・ナガコンブ【長昆布】
(Noun)
- Laminaria longissima (species of kelp)
— Word usually written using kana alone
しおこんぶ【塩昆布】
(Noun)
- Thin strips of kombu cooked in soy sauce, etc. then dried
こもちこんぶ【子持昆布】
(Noun)
- Kelp with herring roe (sushi type)
おぼろこんぶ【朧昆布】
(Noun)
- Shredded tangle or kelp
とろろこんぶ・とろろこぶ・トロロコンブ・トロロコブ【とろろ昆布・薯蕷昆布】
(Noun)
- Shredded kombu
- Kjellmaniella gyrata (species of kelp)
りしりこんぶ・リシリコンブ【利尻昆布】
(Noun)
- Laminaria ochotensis (species of kelp)
— Word usually written using kana alone
かごめこんぶ・ガゴメコンブ【籠目昆布】
(Noun)
- Kagome kombu (Saccharina sculpera)
— Word usually written using kana alone